夫の不倫を誰にも言わない決断をした私だったが、金曜日がくるたび考えてしまってつらい。
価値がなくなってしまったような気持ちで頭がいっぱいになる。
価値がない自分。消え去ってしまった自己肯定感。
頭ではわかっている、私に落ち度があるから、夫が浮気や不倫をしたのではなく、夫がそういう人格の持ち主だから不倫をしているのだということ。
でも、これを夫に話たところで、夫の人格が変わるわけではない。
そう、夫は私が思っていたような人間性の持ち主ではないという事実が、この不倫によってわかってしまったわけで、これは、どんな美しい言い訳を並べようが、それは仕方がなかったよね…なんてことにはならない。
むしろ本性を出されては、家庭の平和が終わるだけ。
さすがの私も、家庭が不和になってしまえば離婚を選択せざるを得ない。
でも今、夫は、私が何も知らないと思って、「いい夫」「いいパパ」「いい人」を完璧に演じ切っている。
ある金曜日、考え、思考を巡らしていると、私はそんな簡単なことに気が付いてしまったのだ。
もう落ち込まなくてよさそうだ。
幸い、夫はいい人を演じているわけで、どんな時もちゃんといい人を演じてくれる。
だったら演じ切ってもらおうと思ったのです。
土曜日の朝、私は生まれ変わったような気分で目覚めた。
そして、不倫後、深夜に帰宅した夫も「いい夫」として目を覚ました。
朝からいつも通りの土曜日が始まる。
子どものお世話を率先してしてくれる、「いいパパ」もちゃんとしている。
夫の失敗は、ただ一つ、「不倫をわたしに知られてしまったことだ」あの日に気が付かなかったら、一生知らなかったと思うと、知らなくてよかったとも思う反面、いずれは気が付いたのかな…。とも思う。
こうして、不倫サレた妻なのに幸せな日々が始まったのです。
コメント